PENGUIN RESEARCH

2023.1.18 Release New Single「変幻自在」SELF LINER NOTES

こんにちは、PENGUIN RESEARCH ベースの堀江です。
我々のCDには毎回、ブックレット(歌詞カード)に僕のセルフライナーノーツを載せているのですが、
今回は趣向を変え、オンライン上で公開する運びとなりました。
なぜ趣向を変えるに至ったかといえば、僕がすっかり忘れていたからに他なりません。すみません。
いつどこでも読めるウェブ出張編ということで、楽曲のつまみがてら、楽しんでもらえたらと思います。

「変幻自在」

TVアニメ「アルスの巨獣」OP楽曲であり、久しぶりのシングルカットです。
アニメ原作である為、どこまで話してしまっていいものかと悩むところですが、
定められた役割や過去、宿命、環境に後ろ髪を引かれながらも
自らの想いを全うしようと挑む主人公達の姿、
現代の自分達にとっても他人事と言えない葛藤を基に書きました。
抑圧された暗闇の中で息をひそめるように、
だけど本性、本心は静かにしっかりと燃え滾るように、
そしてそれは、いつまでも大人しくしていられる訳もない。
そんなイメージをバンドでやってみました。
クールで淡々と始まったはずが、曲の終盤には何だかんだ全員、野性味が隠し切れておらず、
PENGUIN RESEARCHは結局PENGUIN RESEARCHなんだなあと
諦めがつきつつも、喜ばしい想いです。
ドカドカ!大爆発!みたいなロックを表題曲に据えがちなバンドですが、
無理せず新鮮な形でかっこつけようとしている我々を楽しんでいただければ幸いです。

「大脱走」

ドカドカ!大爆発!みたいなロックです、結局そういうことなんですね。
我々全員ライブが好きなのですが、僕はとりわけワンマンが大好きです。
あれほどいい目をした人々と正直に見つめ合いながら音楽をやれる場所は他にないからです。
その光景や空気から、例えばこの曲のように、音楽のきっかけをいつも沢山貰っています。
ここに書くのも場違いかなと思いますが、本当に感謝しています。
何とかなりてえ、と誰もがあらゆる方角に対して溜息をついていると思います。
そんな貴方に対して、せいぜい我々に出来ることの一つといえば、
でかい音で偉そうなことをもっともらしく歌って一緒にその気になってしまう事なんですね。
果たしてどれぐらい価値のある行いなのかを正確に知る由はありませんが、
これはこのバンドのライフワークみたいなものなので、愚直なギターロックに付き合ってもらえたら嬉しいです。

「ホームカミング」

たまに書きたくなるテーマです。
何かを懐かしむとき、心苦しさと優しさはつきもので、
両方をちゃんと曲にしておこう、と思って書きました。
音も、夕方に鳴るチャイムのような素朴さをイメージしています。
心には帰る場所が必要で、それは形を失ったとしても別に良いです。
人は想像することで、たまに幸せな気持ちになれたりするからです。
あまり説明しすぎると自分の曲になってしまうので、あとはもう皆さんなりに聴いてやってください。
帰る場所は人それぞれ、貴方の実家でありたいとまでは僕は思っちゃいませんが、
心の中の街明かりの一つにでもPENGUIN RESEARCHを置いておいてもらえるなら、
バンドマン冥利に尽きるというものです。